会社を作って1年たって大事だと思った3つのこと

毎日ブログ書く宣言から8日目。

シェアオフィス仲間のid:tokunoriben氏から表題のテーマで書いてくれと言われたので書きます。(参考)http://d.hatena.ne.jp/tokunoriben/20130630/1372606109

昨年7月末にアドファイブ(株)という会社を作ったので、今ちょうど一年になります。

ちなみに1期目の売上高は6ケタ後半でした。2期目は売り上げ7ケタは確定してますが、1期目に撒いた種を発芽&開花させて売上9ケタ実現させることが目標です。

以下、1年を通して思った3つのこと。

ビジネスは等価交換

20代後半で将来ベンチャーをやると決めてから、クラウドのインフラ系のミドルウェア、コミュニケーションロボット開発や組み込み系/半導体ベンチャーでの開発、セキュリティ系ベンダでの開発といろんな分野を経験してきたので、ソフト開発には自信があったが、技術をどうやってビジネスに結びつけるかがよくわかってなかった。そこでベンチャーキャピタルが主催するイベントに色々参加して、自分がやりたいことをプレゼンしてみたが、どうも自分がやりたいこと(Internet Of Things 時代に向けてのセンサ―処理基盤ミドルウェアとデバイスを組み合わせた総合ソリューションの開発)は数百億レベルの資金が必要な大企業向きのビジネスらしく、あまりかみ合わなかった。

そこでInternet Of Thingsをあきらめて、もっと元手が掛からなそうな「アドテク」という分野でテッキーなところをいろいろ調べた。その後もいくつかのVCのイベントに参加したりもしたが、あまりしっくりこないのでVCではなく普通の会社で自分のやりたいことと関係がありそうなところにミーティングしてもらいに行って考え方を参考にすることにした。もちろん先方にとってミーティングするメリットがあるように、最新のアドテクに関する情報や自分がその会社にとって提供できそうなサービス/プロダクトのアイディア等をそれなりに準備して行った。その中で、一緒にビジネスを考えようと言ってくれたり、こういうプロトタイプを作ってみてよと言ってくれたり(実際作ったものもある)と、VCのイベントに参加していた頃よりは多少自分のやりたい方向性に近づいた感があった。

しかし、それでも先方が持っている経営リソースとこちらが持っているリソースには大きな開きがあり、いずれもこちらが不利な取引からのスタートになってしまいそうなものばかりだった。

ここまでダラダラと書いたが、要するに考え方が甘かった。「ビジネスチャンスがあるけど、技術力がない」という人(VCでもいいし事業会社でもいい)に運よく出会ってパートナーシップを組んでドカンとビジネスを爆発させる、というなんとも他人頼みな淡い期待を抱いていたことを実感した。

ビジネスは、こちらが与えたことに見合うことしか受け取れない、つまりビジネスは等価交換だという鉄則中の鉄則を実感できたことが、大事だと思った1つ目のこと。

フルタイムメンバー以外にモノづくりを手伝わせるな

スタートアップ系のイベントに参加して人としゃべると良く聞かれるのが「何人でやってるんですか?」という質問。はじめのうちは見栄をはってつい「基本的に僕一人ですけど、数名の友達が手伝ってくれてます」と答えていた。実際に友達に手伝ってもらったりもしたのだが、その友達の得意なやり方に合わせたり、ビジネス上の都合や方向性などをシェアしたりするのがとても大変だった。起業して代表として色々動いているとそれなりに情報が入ってくるものであり、フルタイムの共同創業者くらいのパートナーでない限り、他人は戦力にならない。技術ベンチャーを興そうとするくらいの人は、たいてい自分で何でも作れる自信があるのだから、全部自分でやるべきだ。そのほうが効率が良いし、周りに迷惑をかけることもない。

そうやってチームを組まずに一人でやる場合、最初からチームを組んで組織で活動していくようなベンチャーらしいベンチャーのやり方がまったく参考にならない。フリーランスのエンジニアが、オリジナルプロダクトを作って世に問い、そのプロダクトにニーズがあると分かった時点で初めてチームを作る必要が出てくる、という手堅いやり方がエンジニアが一人で起業する場合の良い方法だと思う。

つまり、フルタイムのメンバー以外にモノづくりを手伝ってもらうのは手伝ってくれる人がどんなに優秀だとしても非常に効率が悪い、というのが大事だと思った2つ目のこと。

営業パートナーに期待しない

プロトタイプを作ったとして、それをもって外へ赴き、興味を持ってくれる人が現れて幸いにもそれを売ってくれると言ってくださったとしても、期待してはいけない。スタートアップとして新しいことをやろうとしている以上、ニーズがあるかどうかはたとえ営業が得意な人でも「売ってみるまで分からない」。したがって、営業パートナーをしてくださる方にマネタイズを丸投げしてしまうのは全くダメ。「ニーズがあるかどうか分からないものを預けたのだ」という気持ちで、常に営業状況やお客さんの声などを営業パートナーとともにフィードバックしていかなけれなならない。つまり、技術ベンチャーをやって、営業は外注/パートナーシップでレベニューシェアとする場合でも、営業から逃げてはいけない。営業の実務的なところは助力してもらえるかもしれないが、営業の根幹たる戦略やマーケティング/商品企画については常にフォローしていかないといけない。

つまり、営業のプロは、ニーズがあると分かっている市場でいかに上手にたくさん売るかのプロであって、ニーズがあるかどうか分からない市場ではアマチュア同然だと認識しておくのが、技術系のスタートアップを起業した場合に大事だと思った3つ目のこと。

というわけで

また明日。