「これがネイティブ広告をスケールさせる方法だ」
AdAgeに10/28掲載の記事より。
(原文著作者に許可を取ってないので問題ありましたらご連絡ください)
「これがネイティブ広告をスケールさせる方法だ」- FBXが道を整備したおかげで、RTBがネイティブ広告に対応した
広告業界が好むバズワードとして流行ってるだけかもしれないけど、”ネイティブ”広告はスケール可能かどうかまだ示されてない。
しかしそれは間違いかもしれない。
ネイティブ広告とRTBの圧倒的な量の世界は、一緒の道の上にある。困難なハードルがありそれはテクノロジの問題だが、それはFacebookのFBXエクスチェンジ広告の導入のおかげで殆どクリアになった。
その理由: FBX広告を提供するため、そして同時に相応の収益を得るために、The Trade Desk, Turn, MediaMathといったDSPは自分たちのディスプレイ広告のプラットフォームにテキストを扱う機能を搭載することを強いられた。そうした機能強化は、まずはテキストを同等に扱えるようにしたことが、彼らのプラットフォームをスポンサー広告のような他のテキストベースの広告も同じくあつかう道を拓いた。
「Facebookはテキストや、異なる形のバナーについてオークションを実行する」とDSP業者The Trade DeskのCEOであるJeff Greenは言った。「テキストをやらない理由は無い」
「我々はビットでもバイトでも、いかなるクリエイティブタイプもサポート可能だ。」とTurn CEOのBill Demasは言った。
パブリッシャはコントロールを失う
ネイティブ広告がRTBによってコモンプレイスとなるには、超えなければならないいくつもの障害がある。ネイティブ広告は”RTB化”対応するかもしれないものの、パブリッシャは自分たちのサイトに掲載されるコンテンツに対するコントロールの一部を断念する意思決定が必要になる。それは自動的なリアルタイム売買の世界に参加するには不可欠な要素だ。ネイティブ広告は直販するという議論が前提にあるため、RTBで売られるネイティブ広告は最も柔軟なパブリッシャでさえ吐き気のするものかもしれない。
そしてさらにいくつかの標準化が必要になるだろう、とGreen氏は言った。FBXのインベントリにアクセスするというのは単に在庫量が多かったからやる価値のある機能追加だった。Twitterが(訳注:最近買収したモバイル広告エクスチェンジを持つ)MoPubを使ってRTB化したら同様の対応は同じくやる価値がありそうだ。けどいずれの場合も、あらゆる種類のスポンサー広告のための機能強化となるとやる価値は無いかもしれない。(訳注:と、Green氏は語り、標準化の重要性を強調した)
NativoやShareThroughといったいくつかの企業はネイティブ広告の標準化のために活動しており、スケールさせて売ることが出来るので、彼らとDSPの統合はそう遠い出来事ではなさそうだ。
「確実に、我々のインベントリはより標準化されたプログラマティックなプラットフォームから利用可能にするつもりだ」とSharethroush社 CEOのDan Greenberg氏は言った。「我々にとってはリーダシップを取る座を確固たるものにするために、それは庭に壁を作るようなことではない。それはインベントリを人々が買いたい場所へ置くようなことだ。」
Green氏はThe Trade Deskはそうしたパートナーシップを組めそうな企業とディスカッションをしてきていると言った。
たくさんの誇張
しかしDemas氏は、そうした場合(訳注:DSP業者がShareThroughとつながるような場合)には誇張(訳注:ネイティブ広告が現実より大きく有効だとされること)が現実より前面に出てくるかもしれないと警告する。「ネイティブはプレスの中ではたくさんのバズを生んでる」「広告主とパブリッシャから、それ(訳注:ネイティブ広告のRTB化)を本当にやりたいと聞くことは誇張されるほど多く無い。」
それでも、そうした機能性とスケール化と精度のエビデンスへの要求があるために、ネイティブのRTB化はそう遠くないうちにありそうだ。
「来月ということはないが、来年の内にある」とGreenberg氏は言った。
「6か月からそこらで面白いことが起こると思う」とGreen氏は言った。
訳語感
NativoやShareThroughといったネイティブ広告プラットフォーム企業がRTB対応を検討しているというのは、やっぱりそうなのか、という感じです。モバイルアナリティクスのFlurryのような企業もRTB Exchangeの開設を予定しているそうですし、Twitterしかり、この方向性は確実ですね。
ネイティブ広告をどうスケールするかは技術的・ビジネス的に課題ですが、RTB化は真っ先に思いつくシンプルなやり方で当然その方向性へ進む力は強いでしょう。少なくともテクノロジはどんどん進んで行って、パブリッシャをどう説得するかというビジネス上の課題が後追いで続くのでしょう。
私がテクニカルアドバイザをさせていただいてる(国内の)某案件でも(詳細は言えないですが)パブリッシャから「収益リスクをある程度目をつぶって先に進まなければならない焦り」みたいなものを感じます。柔軟なパブリッシャはとりあえず試して収益棄損が大きすぎたら撤回するくらいの動きになると思います。
個人的にテクノロジとしては
- ネイティブなクリエイティブとエンゲージメント指標計測をサポートするアドサーバ
- ファーストパーティデータのマネジメント、パブリッシャどうしのデータ共有を容易にするDMP
- パブリッシャが自身のデータの開示範囲をコントロールできるようなRTBエクスチェンジ
- 多様性を少し広げたクリエイティブとサプライ側のデータの開示レベルに合わせて動くDSP
- 以上諸々を考慮に入れた最適化エンジン、シミュレータ
といった構成に進んでいくんじゃないかと思っています。このリストを見るとプレイヤがまだない部分も結構あることが分かります。弊社はまさにそれを作ってます。大手企業も作ってるのでスピード勝負ですけど。