僕は付加価値のコアを考え抜いてないのかな

僕はせっかく起業したのに新規事業立ち上げで苦闘しています。いや、苦闘というより、正直「何をやったら儲かるのかさっぱりわからん」という状態です。技術者としては、何でも作れる自信はあります。いやほんとにOSだろうがコンパイラだろうがリアルタイムビッディングサーバだろうがレコメンデーションエンジンだろうが僕はテーマが決まれば何でも作れるんです。そしてそういうエンジニアは僕だけじゃなくて結構いるはずです。

今の状態がどういう感じかというと、例えば、こういう製品を作ったらニーズあるだろう、ということで作り始めるじゃないですか。で、2週間くらい開発していくと「これ別に誰でも作れるし、付加価値ないよな。」という風に思ってモチベーション低下。で、その周辺にある技術的にチャレンジングな課題を勝手にでっち上げてそれに取り組むと技術的に面白いのでどんどん新しいことを学べるのですが、市場の都合とは関係ないことをやってる気がしてまたモチベーション低下。

そんなこんなで、製品リリースもいくつかしましたが本格的には立ち上がらず起業して1年強が過ぎたわけです。最近は仕事に飽きてネット将棋やオンラインポーカーやりまくって一日終わるニートな日もちらほら。Topcoderにもはまってます。Kaggleはようやく取り組み始めた。収入は時々やるシステム受託開発や定期契約をいただいているコンサルティングの仕事で賄っていて、毎月6,7日くらいの勤務時間で年商は300万ちょっと。自分一人は食べていけて自社事業に使う時間も確保できているが、鳴かず飛ばず

何が足りないのだろう?

「テクノロジ中心のビジネスで」うまく行ってるベンチャー、例に挙げると、グノシー、フリークアウト、トライフォート、プリファードインフラストラクチャー、ブレインパッド、等々、そういう会社は何が違うのだろう?

それは、世の中に提供する付加価値とそれを支える技術が明確にあるということのようだ。グノシーなら「貴方にとって価値のある情報を推薦します」、フリークアウトなら「オーディエンスにターゲティングして広告を打てます」、トライフォートなら「ソーシャルWebサービス・アプリを企画開発インフラ運用まで圧倒的な開発力でトータルに請負います」、PFIなら「お客さんのビジネスに合わせて情報検索と機械学習のシステムを提供します」、ブレインパッドなら「お客さんのデータを売り上げに結び付ける方法をトータルに提供します」、等々。間違ってたらごめんなさい。

じゃあうちは何だろう。特に私が好きな技術は「自動化」や「半自動」という価値。人間がやるようなタスクを機械に置き換えたり、機械を使うことで人間の能力を掛け算で大きくしたり出来るようなことをやりたい。でもそれだと漠然としていて具体的に何の市場なのかについてのヒントは得られない。

とりあえず、僕は努力家ではないけど、少なくとも「努力が足りない」という結論だけは避けたい。本当に成功する人というのは仕事が面白くてしょうがない状態の人であって、苦しくても頑張るとかいう話とは無縁だと思うから。

あと、「ほーら、ビジネスはそんな簡単じゃないでしょう。」という結論も避けたい。マジでビジネスというのはシンプルに、

「世の中に付加価値を提供する」→「対価を得る」

という本質があったうえに、その都度の事情で色々くっついてるだけだと思うから。