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洞察力と思考力

昼食から帰って自分のブログ読み返してハッとした。

僕の考える両者の違いは以下のとおり。

  • 洞察力というのは、物事の本質や要点を素早くつかみ取る能力のこと。
  • 思考力というのは、物事を好ましい状態に変える方法を考える能力のこと。

一般的に仕事のプロセスというものは以下のとおりだろう。

「①情報収集」→「②状況把握」→「③実行計画」→「④実行」→「⑤結果の評価」

洞察力が力を発揮するのは、①と②そして⑤においてだ。しかし③と④においては何よりも思考力がものをいう。

僕は「自分があまり仕事できるタイプじゃない」というコンプレックスがあるが、それは思考力の不足が一因になっていそうだ。

思考力に比して洞察力が圧倒的に優れていたらどうなるか。それは明らかに「語り」が多くなるだろう。だって、色々なことが見えてきてしまうわりに、それをどうにかすることができないのだから。語るしかなくなってしまうのも当然だ。

僕がこうして平日の昼間からブログを頻繁に書いているのは、きっとそういうことなのだろう。僕の場合は見えたことを文章に変える文章力もそれなりに持っているので、書けてしまうのだ。

では思考力を向上させるにはどうすればいいのだろう。

それは、趣味でもプライベートでも仕事でもなんでもいいので「物事を好ましい状態へ持っていく」練習を積むことじゃないだろうか。

生活のなかで、そういう意識を強くもつようにしよう。

やっぱり僕の文章は、僕の人格とシンクロしている

僕の文章は、

  • 技巧に長けていて、
  • それなりに知識体系が広く深く、
  • ユニークな視点と鋭い洞察がある。
  • しかし思考そのものは浅く、
  • 経験談よりも批評指向であり、
  • 少々品格に欠けるところもある。

文章を書くと、人格が丸裸になる。

僕にとって文章は、自分を見る鏡のようでもある。

日々鍛錬して人格を陶冶し、定期的に文章を書くことで、自分を見つめていきたい。

引き続き、本日記にお付き合いの程、よろしくお願いします。

独創性における「型」の重要性について

昨夜は久しぶりに新書を一気読みしました。

お笑い芸人に関するメディア記事やインタビューをつなぎ合わせて、芸人たちの素性を描きつつ視聴者目線での芸人の明確な位置づけを語る、といった内容の本です。さらっと読めて面白い。

僕が一番好きなお笑い芸人は(学年が同じこともあって)オードリーなのですが、本書にも1章さいて登場します。オードリーファンとしては、オードリーの生態や彼ら特有の「型」についての語りが多く、若林さんのトーク力に一切触れてないことがちょっと不満でしたが。

さて本書ですが、

  • 自分らしさとは何か
  • 虚飾や演技とは何か
  • ヒットと定番とは何か
  • 才能と実力主義世界

みたいなテーマと照らし合わせて読むと面白さ倍増かと思います。

本書に通底するテーマとして(文章中に明文的に書かれてはいないのですが)、芸人が売れるというのは自分の「ポジションや型」が見つかったとき、というのがあるように思います。

なので本書の文章構成は、取りあげる各芸人の「型」を描写し、その型を確立するに至った経緯やその背後にある芸人の素顔を重ねて述べる、という風になっています。

この「型」というのが面白い普遍的な概念じゃないかと思いました。

例によって、以下で持論を少し。

自分らしさとは何か:それは型である

自分らしさ、独創性、オリジナリティというものは、作り手と受け手がいて初めて成立しますよね。

まず作り手の視点における「型」というものを考えてみます。

それは、オリジナリティの安定大量生産手段じゃないかと思います。

型がないと、繰り返し再現でませんし、視聴者に毎回自己紹介しなければならなくなります。逆にオリジナルな自分の型があれば「キャラづくり」さえも何パターンも可能になるでしょう。

では受け手の視点における「型」とは何でしょう。

それは、受け手に負担を掛けずに「コンテクスト」を共有してもらう手段じゃないかと思います。

というのも、オリジナリティの強いものというのは世の中にまだないものなので、受け入れられるのにはエネルギーが必要になります。そのアウトプット一つ一つが受け手にとってはバラバラの「例外」に映るでしょう。受け手からしたら新しいものというのは非常に大きな揺らぎがあるように見えるわけです。

なので何らかの一貫性でくくりとってあげないと、特にテレビのような瞬間消費の世界では「なんだかよくわからない」と思われてしまいます。一貫性をくくり取る「型」があれば、素早く消費者に「コンテクスト」を共有させることができるようになります。

お笑い芸人それぞれが「型」を持つ必要があるのは、そういうことなのでしょう。

虚飾や演技とは何か:それは型である

型というのは「素の自分」から確立されるべきものではありますが、素の自分そのものではありません。型というのは1人称と2人称と3人称の意味合いを少しずつもっている概念だといえます。

虚飾や演技というのは、その1〜3人称の形態を通常とは別の形に変形する行為のことです。変形には自由度がありますが、毎回その自由度を許していると大変です。

そこで「型」を持つことによって、一人の人格が持つ1〜3人称の変形形態を固定させることができます。

型という概念にはそういう意味合いもあるのでしょう。とても興味深いことだと思います。

ヒットと定番とは何か:それは型である

僕はお笑い芸人の芸というのは、普段我々が日常生活で行っている人間関係を「ごはん・主食」だとしたら、芸人の芸を消費するそれは「おやつ・デザート」みたいなものじゃないかと思います。

主食は、毎回変わり映えしなくても、そんなに問題ありません。けれど、おやつやデザートは、よく知ってる定番を消費したい気持ちと、新しいものや変わったものをどんどん試してみたくなる気持ちが両方あるでしょう。まぁ、おやつに限らないといえばそれはそうで、美食・ごちそう全般でそうですよね。

そうしたデザートやごちそうの世界では、目新しいものがどんどん出てきます。その中で少数がヒットし、さらに少数が定番として定着します。例えば「プリン」は定番です。プリンというのは一つの「型」でしょう。

つまり型という概念には、ヒットと定番という二つの側面が含まれていると思うわけです。

前節に引き続き、それ以上のことは考えてないのですが、型という概念の興味深い多義性として何らかの示唆になればいいなと思います。

才能と実力主義世界:それは型である

才能がある人は、さしたる努力をせずとも社会的に意味のある成果を出してしまいます。

しかしそもそも才能というのは実体ではなく現象を描写する語だと思います。つまり、成果を出すにあたって相対的に投下するリソースが小さく済んでいる現象を、その人の資質に引き戻して描写している言葉だと思うのです。

これまで書いたようにお笑い芸人における「型」はアウトプットの生産性を飛躍的に向上させ、消費の敷居を下げる働きがあります。

それは、どんな分野にでもいえることなのではないでしょうか。才能のある人とは自分の型を発見した人なのではないでしょうか。そんなことを思います。

終わりに

じゃあ、あなたが「自分の型」を発見するにはどうすればよいのか。

それは、僕にはわかりません。けれど、冒頭で挙げた本には、お笑い芸人たちがどのようにして自分の型を見出してきたのかが詳しく描写されています。

なので興味がありましたら、読んでみるといいかもです。

磯島拓矢著「言葉の技術」を読んだ

広告テクノロジーの仕事をしてるのだから広告について勉強しようと思って磯島拓矢著「言葉の技術」を読みました。

筆者は電通のクリエイティブディレクターでコピーライティングのプロ。本質的なことしか書いてないので90分くらいでさらっと読めて、すごくためになります。

思いつくものではない。考えるものである。言葉の技術

思いつくものではない。考えるものである。言葉の技術

コピーライティングの具体的なテクニックは本書を読んでいただくとして、以下ではこの本の構成で巧いなぁと思った点について。

この本のなかで著者は、コピーライティングのテクニックを一つ一つ読者に伝授してくるのですが、人に何かを伝授するという行為は「上から目線」になりがちです。

そこで筆者はくりかえし「エラそうですみません」と前置きしつつ、具体的なテクニックを具体例を挙げてわかりやすく説明していきます。

ですがあまりにも「エラそうですみません」と何度もいうので、不思議に思いました。そうしたら、本の最後でその答えが分かりました。

筆者は、コピーライティング、ひいてはコミュニケーションの目的を、「良い関係を構築すること」としているのです。

これはなるほどと思いました。
ちょっと僕の感想が多めになりますが、僕の「なるほど感」を以下で少し。

例えば、企業が商品を作って売る、そのことによってお金が動きますが、これは財と財の等価交換ですから、対等です。つまり、コピーライティングの目的を「ものが売れるようにする」ということにしてしまうと、財の等価交換を促す以上のことはありません。等価交換というものは極論をいえば、してもしなくてもいいものでしょう。

だから、「交換したほうがよい」、そういう状態を作る必要があります。それがなにかといえば、当然、企業と消費者の間の関係性をよくする、つまり企業が存在して商品を提供することによって社会がよくなる、というところに目的があると思うわけです。

商品購入という財と財の等価交換は、よりよい社会すなわち企業と消費者のよい関係性を築く手段だとみるべきでしょう。

ならばコピーライティングの本質は、メッセージの伝え手と受け手の間の関係性をよくすることである、そしてその中に商品の交換のような経済行為も含まれていく、そういう見方にあると思います。

筆者はそのことを意識して、本書の読者との間に本書を通じて「良い関係」を築こうとしています。

大変すばらしい思想だと思います。

電通の社員というのは、なんかよくわからない人たちだったけど、この本読んだだけで尊敬しちゃうなぁ。

モードの切り替え

前エントリのつづき。

  • 経営者モード(売れることを必死に考えて、最短コースで行動する。)
  • 技術者モード(作ることを何よりも優先し、最速で製品を完成させる。)
  • 研究者モード(世の中に今までなかった新しいことを実現可能にする。)

これを同時にやると、混乱する。

2つ以上のモードを同時にやらない、というのを習得しよう。

ビジネスうぜぇ。俺は好きなものを作るぜ。

一流というほどの技術力はないかもしれないけど、それなりにモノは作れるぞって自信をもっているエンジニアが一人で起業したケースで、受託開発を離れて自社製品の開発を進めようとしたときにありがちだと思われる話をします。


僕は起業する前は、自分はとても勇気があって、リスクを取ってどんどん製品を作れると思っていた。

実際、起業してみたら、なんだか自分はすごく楽観的で、将来なんとでもなるさ感があったので、それは良かった。

けれど、いざ一人で製品開発をやってみると、これがなかなか「怖い」。

例えば、作ってる途中で

「これだけ頑張っても、売れなかったらゼロだな」

とか

「これなら確実に市場があるのはわかるけど、僕の好きな数学の要素がゼロだなこれ」

とかいう気持ちが出てきて、結局放り投げて別のことに興味が移ってしまうのだ。

セルフマネジメントという点では、自分の「好奇心旺盛という長所」と「飽きっぽいという短所」をうまくドライブできていないし、そもそもの起業家の資質としては「リスクテイカー」の要素が不足している。

変なコダワリが足を引っ張ってる面もある。

  • 自分がすごく興味があることを追及すると、そういう製品はまだ世の中にないので、売れるかどうかが不安になって最後まで作れない。
  • 市場がありそうなものを作り始めると、そこにはあまりテクニカルな面白味がなさそうに思えて、最後まで作れない。

自分自身の人格面まで決めつけるのは良くないかもしれないけど「チャレンジするまえからビビっちゃう、ビビり」なところが思ったより大きくあるって、よく分かった。また僕は、勉強には熱心だけど、仕事には怠惰、だとも思う。

じゃあどうすべきなのか。

一つ言えることは、こういう僕みたいなタイプは少なくないだろうということ。

コダワリが強く、勇気があまりない、リスクを取れない安全志向なタイプ、そういう人が起業してうまくやっていくにはどうすればいいのかを考えることには価値がある。

具体策は、

  • 受託開発をやってお金を貯めて、そのお金の範囲でできることをやり、ヒットしたら資金調達してブーストを掛ける

くらいしか思い浮かばない。

それって、どこにでもありそうな普通の会社だ。

僕自身がどこにでもいそうな普通のエンジニアなのだから、それでいいのかもしれない。


でもねー。


そういう道をいくとそれはそれで、一発でっかいことやって、ドーーンと成功したいって思っちゃう中二病を持て余しそうなんだよね。


なので、「どうすべきか」ではなく、「何ならできるのか」という風に考えたほうが良さそうだ。

つまり、

「僕は、どういう風になら、製品を最後まで完成させられるのか。」

そう考えると、答えは一つ。

「ビジネスうぜぇ。俺は好きなものを作るぜ。」

結局、そういうことになってしまうのかな、と。

「機械学習ハッカソン!」を開催しました。

4/19(土)に機械学習ハッカソンというイベントを開催しました。

参加されたかたの感想エントリ

当日の雰囲気(会場協力:秋葉原アンダーグランド)

背景

機械学習の手法は学術研究の世界でどんどん進歩していてビジネスの世界でも応用されはじめていますが、アルゴリズムを実社会の価値にどう結び付けるかはまだまだ試行錯誤な面が大きいと思います。

そこで体系化された広い知識基盤を必要とするものの代名詞ともいえる「機械学習」と、とにかく手を動かしてすばやく結果を出すのを競うことの代名詞とも呼べる「ハッカソン」を合わせたイベントがあったらいいなと思いました。@yamakatsuさんに背中をおしてもらったこともあって、自分で企画開催することにしました。

ハッカソンの内容

compassで告知したところ、800UUくらいの人がイベントページを見てくださり、30名ほどの方の応募がありました。当日の参加者は10名でした。全く聞いたことのないイベントでも参加してもらえるものだな、と感じます。

11時から17時まで、めいめいでテーマを決めて取り組む、条件としては時間内に人前でプレゼンできる何かをやるというざっくりとした内容だったので参加されたかたはちょっとやりにくかったかもしれません。

各チームがやったことは以下のとおりでした。

  • 自作RBMで学習させた重みの可視化
  • 引き合いのメールログから案件内容を抽出
  • Kaggleの問題のデータの前処理
  • sklearnのサンプルの写経
  • SCWの実装
  • FX自動トレードアルゴリズムサーベイ
  • Rのサンプルの写経(titanicデータ)
  • titanicデータでRのnnet,svm,kpcaを試す
  • ナイーブベイズSNSの投稿エントリを自動タグづけ
  • サザエさんのじゃんけんの予測モデル

優勝は家志さんの「サザエさんじゃんけん予測」、準優勝はいしたーさん( ‏@sonicair )の「SCWの実装」、3位は「Kaggleデータの前処理」をやった秋庭さん( @aki_n1wa )でした。(ちなみに僕がやったのは「RBMの重みの可視化」で4位でした)

全体的に最初のうちは和気あいあいとしていて、17時締切直前はみんな手を動かし続けてる、というハッカソン特有の雰囲気で楽しかったです。

手法の名前は知っているが、いつどういう風に使えるかがよくわからないという人が多かったように思います。高額のデータサイエンティスト養成講座にいかずとも、こうしたイベントに定期的に参加してるだけでそれなりに学べちゃう、また有識者は自身の知識体系を再確認する場として機能したらよいなと思います。

懇親会

ハッカソン後、5人くらいでピザ注文して機械学習のビジネス活用や今後のハッカソンイベントの進め方などについての話をしました。様子を@aki_n1wa さんが詳しく書かれているのでそちらをご覧いただくのが良いと思います。

@aki_n1wa さんや@_TRIP_DANCERさんのエントリにもありますが、アルゴリズム研究の世界とエンジニアリングの世界でギャップがまずあり、さらにプロダクト・サービスについてもベンダーとクライアントのギャップがあり、ということで機械学習を実際に応用してビジネスをしようとすると「人の壁」がかなりあると思います。なのでこうした巷のイベントというレベルで少しでもそういうギャップを埋められたらいいなと思います。

今後の予定

まず第一回ということでざっくりとテーマを決めずにやりましたが、参加されたかたに伺って思った課題として

というのが浮かび上がりました。

そこで、

  • 前者:Kaggleや実際の企業から借り受けたデータでテーマを決めて一同に会して分析に取り組むハッカソン
  • 後者:実装するアルゴリズムを一つ決めて、まず詳しい人が解説をしたのち各自実装し、後日相互レビュー

というイベントをやれたらいいなと思います。

というわけで、こうしたイベントを月1,2回のペースで続けていきたいと思うので、引き続きご参加・ご協力よろしくお願いします!