研究とビジネスの共通メソドロジー

最近自分の「興味ドリブン」な生活がまずいと思い、やり方を変えるヒントを得ようとして3年ほど前に購入して一度読んだ安宅和人著「イシューから始めよ」を再読した。

それで思ったこと。

この本を要約すると、つまり研究やビジネスにおいて成果を出すには、意味のあるテーマを設定して検証可能な手段で実施して強いメッセージでまとめる、という一連のプロセスがあるということ。

テーマを設定して仮説を立てるぶぶんは研究もビジネスも一緒で、違いは検証方法にある。

科学実験であれば、仮説を検証できたかどうかを「評価する方法」は研究テーマによって色々あり得る。その評価方法にしたがって検証手段が編成される。

ビジネスの場合、仮説が正しかったかどうかを「評価する方法」は、収益という明確な統一基準がある。なので、検証手段としては「仮説が正しければ収益増という事象が観測出来る」ようなものを選べば良い。

例えば、消費増税によってコンビニの売り上げが減る、という仮説を立てたならばそれが正しかったときにもっとも儲かるようなアクションを検証手段として選ぶ。この場合なにがいいだろう。増税前にコンビニの株を空売りしておくというのは考えられるが、株取引では参加プレイヤが同じ仮説で動いていた場合には仮説が正しくても大きな鞘を取れないという性質がある。また証券市場はもっと複合的な要因で動いているため、一つの仮説がどの程度価格変動に寄与するかはその都度異なる。つまり株取引による収益で検証するのは仮説検証の弁別性が悪い。それに消費増税による消費落ち込みの検証は、インパクトが持続する期間が不明だと言う難点もある。そうやって、この仮説は検証手段に乏しいということが分かったらその仮説は不採用になる。もちろん自分が他のビジネスプレイヤと比べてその仮説を検証するにあたっての何か特別なアドバンテージを持っているのであれば良い仮説ということになる。

ここまで、本に書いてある事をそのまま言い換えてるだけなんだけれども、アドテクやマーケティングデータ分析といったビジネスに関するテーマでそういうことをきちんとやろうとしたら、ググっても出てこないので自分で考えるしかないなぁと。

テクノロジを追っかけていいものを作るのは簡単とは言わないけどテーマさえ明確であれば何でも作れる自信が僕にはある。けれど、戦略的に必要とされるプロダクトを作って売っていく、そういう起業家の本質的なスキルが僕にはまだないので、あと3ヶ月で2期目が終わりますが頑張らないと。

まとまらないですが、そんな感じで、仕事に戻ります。