広告ナビゲータ・広告シミュレータの機能要件(2)

毎日ブログ書く宣言から4日目。

昨日の続きです。

機能検討2:ナビゲート中のシナリオ全体と現状の可視化

シナリオ全体をどう表現したらよいか。このシステムではカーナビにおける「地図」のようなパーマネントなデータがないため、いわゆる「暗中模索」の状態になる。けれどまったく「地図」がないということもなく、広告案件を重ねるなかでセグメントと配信結果のデータがたまってくる。それをどう表現したらよいだろう?

セグメントはいわばカードゲームでいうところの手持ちのカード」だ。これまで使ったセグメントは「使ったことがあるカード」だし、新しくセグメントを作るというのは「カードを山から引く」ことに相当する。なのでカードゲームにおける「現在状況」を可視化するような形はどうだろうか。つまり、手持ちのカードと、引けそうなカードを可視化するのだ。そうするとシナリオ全体は、手持ちのセグメントや候補となるセグメントで広告案件の予算内・期間内に要件を満たせるかという観点、いわば「手持ちのカードや、引けそうなカードで、そのゲームを『アガれる』か?」という観点で表現すればよいだろう。

そう考えるとカーナビにおける「地図」に相当するのは、いわば「カードのカタログ」のようなものになりそうだ。地図上のどの地点にいても使えるカードもあれば、ある特定の地点でしか使えないようなカードもある。また「次に引けるカード」についても、地図上のどこでも引けるカードとある特定の条件を満たす地点でしか引けないカードもある。つまり、地図全体を表現することは出来ないがゴールに至るまでの各地点(マイルストーン)と、その各地点で使えるカードや引けるカードについて表現することなら出来そうだ。(これは何となく数学における多様体のイメージに近い)。そうするとシナリオを構成する個々のタスクは、いわば「カードバトルの一戦」のようなものになりそうだ。そして経路探索アルゴリズムは、手持ちのカードやマイルストーンの各地点で引けるカード等のデータを使ってカードバトルを繰り返して、ゴールにたどり着くというプロセスを探索するというイメージになる。これまでに無い広告案件がきたときに要件を達成可能かどうかは、それまでに経験しているカードバトルの結果をもとにすればある程度予測をつけられそうだ。

カードバトルのたとえをさらに使うと、バトルの前にカードを引いて、バトル中は新たなカードは引けず手持ちのカードでやりくりするルールだとシンプルになりそうだ。つまり、タスクが一つ終わって次のタスクに遷移するときのみセグメント作成ができるということにする。そこで「デッキ(自分の山札=これまでに既知の全セグメント)」と「持ち札(=そのタスク中にアクティブなセグメント)」という概念を取り入れる。各タスクに入る前にデッキから持ち札を引き、タスク中は持ち札を使って運用し、タスクを終えたらデッキにセグメントを戻す、という風にする。

以下は可視化のイメージ。

現在のタスク、デッキ、持ち札をどう表現するか

  • 現在のタスクの種類
    • セグメントを探索する目的か、それとも刈取りが目的か
    • 探る目的の場合はどんな観点を探索しているのか
    • 刈取りの場合、目標値はなにか
  • タスクの進捗状況
    • タスクのゴールとなっているポイント(UU,CV,..etc.)の現在値、達成率
    • これまでの進捗ペースからタスク完了の予測時刻を表示
  • そのタスクでアクティブなセグメントと、過去に使用したセグメントを列挙する
    • システムにビルトインされている「セグメントのタイプ」を表示する
    • 各セグメントには、PV,UU,CTR,CVRなどの「ポイント」を付記する
      • そのセグメントで「あとどれくらい刈り取れるか」についても付記
  • 引けるセグメントの列挙
    • タスク完了後、次のタスクの種類に応じて、次に検証すべき課題に相当するセグメント群を列挙

以上の検討案では、ある時点で複数のタスクを並行して走らせることはしてない(セグメントは同時複数配信するが一度に検証する仮説は一つという意味)が、広告案件実施の効率としてはタスクを複数走らせたほうが良い場合もあるかもしれない。しかし仮説を検証するたびに知見はつみあがっていくため、後に実施するほどより多くの知見のもとに広告運用ができるから、予算に限りがある場合はシーケンシャルに仮説検証を重ねていったほうが同時並行での仮説検証を行うよりもよいと思われる。科学の実験だって、一度に検証しようとする仮説は一つだからだ。したがって、セグメントの探索を行うタスクは同時並行で実施しないことにし、ある程度のセグメントのメドがついた後の本番の広告運用タスクについては場合によっては並行運用を可とするのがよいだろう。

続きは少しずつ

ここまで書くの2時間半以上も検討して書いて消してを何度も繰り返した。新しいプロダクトの設計はそれなりに難しい。今日の記事は量は少ないが、ここで終わる。

ではまた明日。