多様体シリーズ(1)
最近、多様体の勉強をしているのでブログ記事にも書いて理解を深めたいと思います。
今日はその第一回です。初回なのでイントロダクション+αな感じに。
多様体が分かると何が嬉しいか
知ってる限り挙げてみます。
- 一般相対性理論が理解しやすくなる
- 最小2乗法を始め、統計学の各種テーマを俯瞰的に理解しやすくなる
- 特に、甘利俊一先生が打ち立てた「情報幾何学」が理解しやすくなる
- データマイニングの観点でも重要なはず
- 「高次元空間に埋め込まれた低次元構造」という考え方が多様体的
大抵の「数学上の抽象的な概念」にありがちなように、多様体も「関連する事柄に統一的な見方をもたらすのがウリ」という、いまいちセールスアピールに欠けるきらいはありますが、まぁでも「多様体」っていうネーミングはインテリっぽくてカッコいいかなと思います。
スターバックスなんかで多様体の本を読みながらコーヒーすすっちゃってたりしたらかなり硬派でカッコいいでしょうね。そういうカッコ良さで女の子が寄ってくることは殆ど無いでしょうけど。
多様体の種類
スタバじゃないですが多様体にもトッピングが色々あって、いちばんプレーンなのは
- 位相多様体
でしょう。世の中に存在する「物体」はほぼ全て位相多様体。ただし「形」は一応あるけど「サイズ」は不明な状態です。「形」も位相構造であればなんでもいいので、ちぎれたパーツが飛び散ってるようなのでもOK。なんだか幽霊みたいですね。。
プレーンな位相多様体は、たぶん専門の数学者向けだと思います。ちなみに位相多様体と位相幾何学は、関係は深いのでしょうけど教科書で学ぶ際にはそんなに関連がなく、それぞれ独立に学べるように思います。
つづいて多様体の定番トッピングなのが、こちらの
です。「微分幾何学」はこの分野です。「サイズの計りかた(=計量)」を決めることでサイズも決まります。(計量っていうのは計量カップの計量のことでしょう。)定番の計量は ショート、トール、グランデ、ベンティ 「リーマン計量」というもの。
さらに、トッピングというか「材料がプレミアム」なのが
というもの。「多項式=0」という厳選素材だけで作られた多様体で、その素材ゆえのプレミアムな性質がいっぱいあるそうです。味わうにもプレミアムな知識と感覚が必要のようですが、いったん分かれば高度な応用も期待できます。「代数幾何学」がこの分野。
多様体の定義
まず多様体を勉強し始めるとすぐ出てくるのは、多様体をつくる土台としての「位相空間」。とりあえずwikipediaを読んだり位相空間の入門書を適当に読んだりして分かった気になっておきます。
しょせんは「形」を作る材料としての「粘土」みたいなものでしょうから、普段は適当にこねくり回すくらいのノリで軽く考えておいて、もし途中で「粘土の性質が云々だから」みたいな「ずいぶんと細けぇなぁおぃ」という事態になったらまた後戻りすればいいよね、ってことで先へ進みます。
次に出てくるのが「局所座標」というもの。なぜ「局所座標」なんですか、「座標」じゃダメなんですか、と。これはどうやら「耳無し芳一」みたいな話のようですね。つまり、
- お経が終わってしまったら、続きは「お経の始め」でいいのか?
- 始まりと終わりがつながるお経が欲しい。なむあみだぶつなむあみだぶつなむ…みたいな。
- 顔とか曲面にお経を書くとどうしてもまっすぐ書けなくてずれる
- なので、なるべく字を小さくして、曲がったところのスキマを詰めるようにする
という風に、「耳無し芳一」的な要件からするとどうしても「局所座標」みたいな方法しかないよね、というのがひとまず納得できればそれでOKでしょう。
多様体も局所座標も考えようによってはめちゃくちゃエロいですね。
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ときめきのPARADISE☆PARADISE
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恋人は美味なる多面体
(サザンオールスターズ「シュラバ・ラ・バンバ」より。)
こっちは「多面体」だったか。
続きは次回へ
第2回に続きます。