Googleのソーシャル広告が凄い件

ネイティブ広告関連エントリです。

そういえばOutbrainが本格的に日本進出だそうですね。

それはさておき、Googleがローンチした「Google+を使って記事広告をアドネットワークに露出出来るサービス」が凄いです。

追記:「+ポスト」というらしいです

何が凄いかというと、ネイティブ広告はクリエイティブのフォーマットが揃えにくいという欠点があると思いますがGoogle+上のポストならフォーマットは決まってるので色んなメディアに拡散しやすいです。

背景として、モバイル・スマホ広告ではバナー以外のクリエイティブが今後重要になっていくと思いますが、その手の多様なリッチメディア広告は広告クリエイティブを作るコストが一つのハードルです。それがG+上で広告を打つ限りG+がサポートするクリエイティブであればGoogleにとってはフォーマットが既知なのでさまざまなメディアにフィットさせるクリエイティブ変換は比較的容易になるというわけです。

またモバイル広告ではファーストパーティーデータをいかに集めて融合できるかが鍵になりますが広告主がGoogle+上で記事広告を行う限りデータはすべてGoogle+上に蓄積されます。広告主にとっては、自社ドメインで広告を出すのと比較してオーディエンスデータはGoogleに吸い上げられてしまうもののGoogleアカウントに紐づいているゆえにマルチデバイス横断してのキャンペーン設計が出来るので、広告主にはG+を使うメリットがあります。

そしてアドテクベンダ視点では、このやり方こそが「ネイティブ広告+アドネットワーク」を考える際のベストプラクティスな気がしてなりません。

つまりアドネットワーク業者がブログメディアを運営するのです。そしてそのメディア上で様々な広告クリエイティブをサポートします。広告主が投稿したブログの記事はペイドメディアに配信可能で、それを読者がソーシャルでシェアする際はブログメディアのURLをシェアすることで常にトラフィックや拡散状況をブログメディアでトラッキングできます。サードパーティクッキー問題も考えなくていいです。ブログメディアでサポートするクリエイティブに合わせてメディア側に配信する際の変換プログラムを作ればいいのですから、クリエイティブの種類を増やしやすいです。

実際にローンチしたらメディア向けの「ファーストパーティーデータ管理用DMP」を無料で提供するとメディア側のデータとも融合したオーディエンス分析が出来るようになりそうです。もちろん無料DMP上のデータを勝手に吸い上げるのではなく、メディアがデータ提供を許諾すれば広告配信の精度が実際に向上するようになっていなければなりませんが、技術者としては燃えるテーマです。さらにメディアの純広告アドサーバをASPモデルで提供するようにして、アドネットワークからオーディエンスデータを借りて純広のターゲティング配信が出来るようにする仕組みも提供するとWin-Winで喜ばれそうです。

テレビだと「ずっと通販ばっかしやってるチャンネル」はあるけど「CMしか放送してないチャンネル」は無いですね。雑誌だとフリーペーパーは「全部広告なメディア」ですが最近は読者が減ってフリーペーパー広告市場はかなり下降気味だそうです。ですが従来メディアと違ってネットはコンテンツのスイッチが摩擦ゼロで出来るので、広告だけで作られた巨大メディアが、ネイティブ広告を一手に引き受けるというモデルは凄く有望な気がしてなりません。

そのメディアはHTML5を駆使して作られることになると思います。HTML5を駆使するアドテクベンダ、、どこかで聞いたことがあるような。。*1

*1:会社作る前にVCにプレゼンしてたときはHTML5を使って新しい広告を実現するという事業をプレゼンしてました。今は別のことやってますが