生産性と創造性

優秀なプログラマはそうでないプログラマと比べて生産性が1000倍違う、といった話がある。知識労働の中でプログラミングで特に差が顕著なのは、情報処理・通信の力で幾らでも労働にレバレッジを掛けられるからだ。優秀なプログラマはいわば小さなレバー*1で計算機のスイッチを入れる。

生産性を高めて量が質に転化することもある。数々の画期的な業績を残したフォンノイマンは「公式通りの数式変形」を他の数学者の何十倍も速く、しかも暗算でやってのけたそうだ。

しかしそういった「生産性」とはまた違った、「創造性」ともいえる力を持つプログラマがいる。コンピュータにこれまでやったことのない仕事をさせるプログラムを書くのだ。

ならば筆算の苦手な天才数学者や、描くのが遅い天才画家がいるように、プログラミングの苦手な天才プログラマという視点がもっとあっていいはずだ。「今の自分の生産性」で創造性を発揮することをもっと考えてもいいんじゃないか。

*1:laborだけに