転換期を迎えたメディアの広告モデル

ネットを中心にメディア産業の広告モデルが転換期を迎えている。既存のビジネスモデルは、コンテンツを提供する見返りに消費者へのリーチを確保し、そのチャネルをスポンサー企業に有償で利用させるというものだ。

消費者にとってメディアのスイッチコストが大きければ囲い込みが成立しメディアにチャネル資産が生じるが、ネットは検索やレコメンドのようにむしろメディアスイッチを促す側に利がある。メディアはどう立ち回るべきなのか。

スイッチの境界はコンテンツの「パッケージ」に相当する。検索やレコメンドのそれは水平的だが旧来メディアのそれは垂直的だ。クリックひとつでコンテンツを消費可能なネットにおいて垂直モデルを維持するのは難しい。

よってメディアが追及すべきは「テクノロジよりコンテンツに分がある」かつ「水平的」なモデルではないか。そのためには、各社が独自の専門性を持ちつつ他者とも協力しあうT字型の事業運営が求められるだろう。