「ネイティブ広告とプログラマティックはいつぶつかり合うか」

DIGIDAYに2013/10/14掲載の記事より。

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「ネイティブ広告とプログラマティックはいつぶつかり合うか」2013/10/14 on DIGIDAY

ここ2年以上にわたってデジタルマーケティング業界でとくに話題となっているのが、「プログラマティックの勃興」と「ネイティブ広告」という2つのトレンドだ。

この2つは表面的には非常に異なっている。プログラマティックマーケティングは広告配信先メディアの配分を真面目に効率化し、不要な中間コストを排除し、それがしばしばパブリッシャの収益を棄損させてもきた。一方でネイティブ広告は、バナー広告の見え方と違うカスタムな広告(そしてより高単価)である、という意味合いをもろもろひっくるめた語として用いられることが多い。

しかし今やプログラマティックとネイティブ広告の両者はぶつかり合っている。いくつかのメディア企業やスタートアップが、プログラマティックな広告買付けの専売特許のような自動的な仕組みをネイティブ広告に転用することでスケール化を試みている。

例えばFederated Media社は、ネイティブ広告をスケールさせることに何年も目を向けており、2011/10には大きなアドネットワークを運営するLijit Networks社を買収した。Lijit社は、ネイティブ広告がブランドの予算を取るには大きなスケールでの自動化が不可欠だという信念に基づいている。FederatedMedia社COOのWalter Knapp氏によると、Lijit社の技術のキーコンポーネントの一つは、Webページの内容とコンテキストを解析するというもので、それは元々オンサイト検索エンジンの技術だったものだという。これはネイティブ広告をどこに配信すべきかを決める際にきわめて重要な技術だ。

Knapp氏)「我々が抱えるような大きなプログラマティックビジネスを持つ企業がやるべきは、サイトを訪れるオーディエンスについて理解するだけでなく、そのサイト上の全てのページについても理解することなのだ。」

こうした動きの土台にはシンプルな課題がある。すなわち、広告はスケール可能なビジネスだが今のところネイティブ広告と呼べるものの多くは手動での作業が用いられてる。それゆえにスケールしない。こう課題提起したのはBuzzFeed(ネイティブ広告を採用する最も目立った企業の一つ)だ。BuzzFeed社のPresidentであるJon Steinberg氏は「これは燻製ニシンだ(訳注:出来上がりの似通ったものを大量に作るのに非常に手間のかかる手作業が必要なもののたとえでしょう)」とし、BuzzFeed社ではスポンサーから受け付ける広告をBuzzFeedと同様のサイトを集めたネットワークにも同時配信している。

業界をかき回そうとするスタートアップがいくつかある。かつてTime Inc.でSteve Sachs氏らによって運営されていたOneSpot社は、ブランドコンテンツを標準的な広告ユニットに変換してアドエクスチェンジ上で売れるようにしている。もう一つのShareTrough社というスタートアップは、マーケターの作る動画をパブリッシャのサイト上で配信させるのをセルフサービスの形で提供している。

しかしネイティブ広告をプログラマティックな広告ユニットに変換すると、パブリッシャと広告主が共同で質の高いコンテンツを生むのを阻害してしまわないだろうか?

「ネイティブ広告のキモになる部分を外して処理すれば自動化が可能になる、というのが問題だ」とGawker Media社CROのAndrew Gorenstein氏は最近語った。「Gawkerにとってのネイティブ広告となるコンテンツ片は、定義上、他のサイト上ではネイティブではありえない。そのオーディエンスや編集記事が似通っていたとしても、だ。」(Gorenstein氏)

プログラマティック側の人たちもやはりこうした疑問は持っている。

「ネイティブの本質からいって、第一に問題となるのはコンテキストは『本当のコンテキストリッチ』にする必要があるが、RTBを使っている限りそれは厳しいということだ。」とChango社(DSP業者)のマーケティング担当副社長であるBen Plomion氏は語った。「第二にはネイティブ広告ユニットはレイアウトをページと非常に似せる必要があるという点だ。RTBに不可欠な標準化をすればするほど、広告効果は低下していってしまう。」

訳後感

割とみんなが分かり切ってるようなことしか書かれてなかったのがちょっと残念。

ではまた明日。