行動憲章

アドファイブ(株)行動憲章

  • 取引先に依存せず自社でリスクとリターンをとる
  • コミュニケーションよりもアウトプットを重視する
  • マネジメントは実務の詳細理解の上に成り立つと考える
  • 科学的な仮説検証に基づく合理的なアクションをとる
  • 誰が言ったかではなく、何を言ったかで物事を判断する

ドラッカーの「マネジメント」、野中郁次郎教授の「知識創造企業」に基づく。詳細はこれらの書籍を読むこと。

ちなみに、ドラッカー野中郁次郎は、「知識とマネジメント」というテーマをそれぞれ別の観点から論じているので両者の本を並行して読むことはこのテーマの立体的な理解につながると思う。(ドラッカーは、成果・ゴールという外部の事象から出発して組織論を導くという視点でこのテーマを論じている。いっぽうで野中郁次郎は、組織における知識の分析という内部の事象から出発して外部環境のイノベーションといったゴールを導くという視点でこのテーマを論じている。)

取引先に依存せず自社でリスクとリターンをとる

例えば、自社よりも大きな資本を持つ企業の販売チャネルに乗せてもらう場合でも、事業のイニシアチブは自社にあると考えて事業を行う。自社商品がエンドユーザに届いてベネフィットを提供するまでの供給側のバリューチェーンの全てを意識し、自社がそのバリューチェーン全体の統括責任を持つと考える。下請け的な依存体質は断固として受け入れないこと。(ドラッカーの「マネジメント」を参照)

コミュニケーションよりもアウトプットを重視する

社内の人間関係や取引先その他関係者との関係において、円滑なコミュニケーションに基づいた仲間意識を築くよりも、成果や付加価値をシビアに評価する関係性を築くことを重視する。人柄や、恩義、礼儀は、すべて「付加価値と成果を生み出す」ための手段と位置付ける。どんなに人柄や礼節が良くても付加価値が無い人とは一切取引しない。また人柄や礼節に難があっても、バリューチェーンを組み立てるうえでその弱点をカバーすることが可能であれば、積極的に取引して全体価値を向上させるよう努める。(ドラッカーの「マネジメント」を参照)

マネジメントは実務の詳細理解の上に成り立つと考える

マネジメントは成果に責任をもち、専門家や実務者のアウトプットを組織(すなわち社内と取引先ふくむバリューチェーン全体)の成果に結びつける仕事だと考える。マネージャーはそれが出来るレベルまで実務の詳細を理解しなければならない。マネージャーは個々の実務タスクを組織の成果に結びつけるにあたって、実務の詳細理解が不足していることが分かった場合、実務担当者から実務内容の知識を吸収し、成果を出すのに必要な理解レベルまで到達するよう努めねばならない。それがマネージャー個人の資質として不可能であると分かった場合、マネージャーの交代を行わなければならない。
ドラッカーの「マネジメント」を参照)

科学的な仮説検証に基づく合理的なアクションをとる

直感によって行動し成果を出した場合でも、そこには何らかの「再現可能な要因」があるとまずは考えてみる。考えたうえでやはりそれが多分に属人的なものだという結論になった場合、その属人性が継承可能かどうかあるいはそれが継承可能となる条件を考える。(野中郁次郎教授の「知識創造企業」を参照。)
仮説を立てる部分では直観は重要だが、生み出した仮説に基づいて実際にアクションを起こす段階や、アクションによって得た結果を検証する段階では科学的なプロセスに基づいた合理的な評価を行う。

誰が言ったかではなく、何を言ったかで物事を判断する

権威や知識よりも、地頭を重視する。コミュニケーションは、それ自体がアウトプットでなければならない。つまり、全てのコミュニケーションは仮説の交換であると考える。その仮説はすべて科学的なプロセスによって吟味する。誰も新たな仮説立案を妨げてはならない。とくに先行する仮説に対立する仮説の立案を妨げてはいけない。これは暗黙知を高度に蓄積した語り手にとっては不利なルールだ。しかしそうした強い語り手にとって不利なルールを受け入れることが、組織全体で暗黙知を再現可能な知に変えるプロセスを生むと考える。(野中郁次郎教授の「知識創造企業」を参照。)