もうRTBの海はだいぶ赤いようだけど青いところを挙げてみるお

ディスプレイ広告のRTB化を中心として、メディアに対して広告を買い付けるという考え方に大きな変革が起きている昨今のアドテク界隈。

中心となるのはDSP/SSP業者と呼ばれる割とプラットフォーム的なビジネスを展開している企業群だが、市場はまだまだ拡大の一途にあり周辺にはまだまだビジネスチャンスが転がっている状況にあると思う。

より深いコンバージョンや中間的なコンバージョンの分析

一般的にクリックスルー、購買・資料請求・会員登録等の成果コンバージョン、を計測して指標を求めるが、ある程度の強い相関をもった別の指標を発見できれば新しい施策の判断に使える可能性がある。

  • オーディエンス拡張を本気で頑張る
    • コンバージョンとの相関の高い指標・指標群を抽出
  • リターゲティング用セグメントを自動抽出
    • あるいは人間のナレッジと組み合わせた半自動インタフェース
  • CRM,メルマガ配信システムとのデータ統合
    • Web上のクッキーデータとマッチング出来ればいろいろできる

メディアネットワークを横断したオーディエンスデータ統合ソリューション

Yahooのように単独で大きなデジタルメディアとなっているものは少数で、多くの旧来メディアのデジタル部門は縦割りにそれぞれがデジタル化してメディアネットワークとなっているところが多い。そういうメディアネットワークに対して、クッキーデータの統合ソリューション(メディア側のDMPというべきか)を提供し、純広告の一部をプライベートエクスチェンジ的に売れるようにするというもの。

  • メディア側DMPによるオーディエンスデータ統合
    • そのデータに基づくプライベートエクスチェンジ

スマホタブレット端末向けのデジタル広告クリエイティブを本気でやる

PCの世界ではFLASHでさまざまな広告クリエイティブ表現が繰り広げられているが、スマホタブレットの世界ではネイティブ/HTML5リッチメディアアドの業者はあるもののメインストリームはまだ単純なバナー画像のままになっている。おそらくスマホタブレットというデバイスに見合った最適なクリエイティブ表現というのがあるはず。

指標予測エンジンとそれに基づく施策最適化エンジン、広告シミュレータ

RTBのアドテクで出来ることは単純化すればロボットの仕組みと同じで、①「センサー」、②「制御回路」、③「アクチュエーター」の3つの部分に分けられる。アドテクに照らし合わせると、①「各種ログ」、②「広告プランの定義」、③「買い付け・配信」、である。この中で①はアナリティクスツールやDMP、③はDSP/SSPや3PASが主に担当している部分で、②はトレーディングデスクやDMP+DSP統合などの昨今ホットな部分だと思う。

ロボットを同じく、②をどうやるかで最終的なパフォーマンスが決まる。①と③のいわばインフラは近年急速に整備されてきているため、②で「やりたいこと」さえ決まれば①③側での実現手段には割と困らない状況にある。

しかし②は非常に難しい。新しいデジタルマーケティングのノウハウを業界をあげて試行錯誤している段階のためそれは当然だが、この部分で数理的な手法を巧く活用することが期待される。

  • 広告プランを定義するデジタルマーケッターのヒントとなる情報を提示する機能
    • CTR,CVR、UUやPVの予測、DSPの入札額と落札率の対応関係
    • 予算を使わずに効果をシミュレータによって広告プランを試せる
    • シミュレータ上の広告プラン自動最適化アルゴリズム

アドファイブ(株)では

  • もう海が赤くなっちゃっているDSP/3PAS/DMPを進めておりますが、
  • 予測エンジンと最適化エンジン、とくに広告シミュレータの開発を検討中です。

というわけでちょっと宣伝交じりでしたがご参考になれば幸いです。